「正常性バイアス」をご存知ですか

大きな災害が起きて犠牲になる人々が多く見られる場合に、「正常性バイアスがはたらいた」などと有識者が指摘することがあります。
心理学の用語なのでちょっと難しく感じてしまうかもしれませんが、心を平静に保とうとする動きのひとつで、人間誰しももち合わせる感情です。
なんらかの災害が発生し、避難指示等が出ているにもかかわらず「自分だけは大丈夫」と思ってしまったり「自分には関係がない」と考えてしまう状態を指します。

また、火災を知らせる警報が鳴っているのに「訓練で鳴らしているのだろう」などと考えてしまうことも「正常性バイアス」のひとつです。

避難所の環境を考えると、特に身体が不自由な方や持病がある方、小さいお子さんがいる家庭などは躊躇してしまいがちです。しかしこの判断が命取りとなって、避難が遅れて犠牲になる方も実際には多いのです。

「避難する・しない」という判断をせざるを得ない状況になったら、この
「正常性バイアス」というキーワードを思い出してください。

「自分だけは大丈夫」と思った瞬間を自覚するだけでも違うのではないでしょうか。